JA浜中町について

組合長のちょっと言わせて!!

2023 ふぁん6月号

2023.6.29

 今年は5月に入り早々に桜の花が開花しました。温暖化の影響なのか年々開花が早まっているように思えます。桜の開花後に何日か寒い日が続き牧草の伸びを心配していましたが、それほど影響がないようでホッとしているところです。

 新年度になってからも道内全体での乳量は昨年度比で4%以上の減産となっています。昨年の粗飼料の栄養価の低さを証明する形となりましたが、飼料価格が高騰しているなか配合飼料を増やして沢山牛乳を搾るようなことにはならず、今年収穫する粗飼料に期待するしかありません。

 しかし、4月からの加工原料乳価10円引き上げにより、共販経費を差し引いても110円に迫る乳価となり、乳成分の高い人は110円を超える乳価になっているかと思います。かなりありがたい乳価となりましたが、6月からの電気料金の値上げを始め各種生産資材の高騰は収まりそうにありません。今後はこれまで以上にロスを減らす必要があります。ロスは必ずどこかに潜んでいます。家族でよく話し合い、あぶり出してください。

2023 ふぁん5月号

2023.4.28

 今年は春の訪れが早く、もう肥料散布が終わっている人も多いかと思います。昨年の4月は暖かったものの5月から6月にかけて気温が上がらず、牧草が伸びずに苦労しました。今年は1番草の収穫まで順調に進んでほしいと思います。

 4月から加工原料乳価が10円上がりましたが、消費動向はどうでしょうか。今、脱脂粉乳の在庫解消のために拠出金を負担していただいていますが、今までは海外の乳価も高く国内価格との差は小さかったのですが、ここにきて海外乳価が下がり価格差は大きくなってしまいました。拠出金での処理量が思っていたよりも少なくなってしまう可能性も出てきました。今まで順調に進んできた脱粉の在庫を調整していくのか、なかなか見通せない状態になってきました。これからどのようにして脱粉の在庫を調整していくのか、現在のような不公平感がなく調整機能を維持していくための議論を、国も含めて我々がしていかなければなりません。春作業で忙しい時期ですが、事故や怪我に気を付けて行ってください。

2023 ふぁん4月号

2023.3.30

 3月は暖かい日が続き雪もすっかり消えて春の訪れを感じさせる陽気となりました。根釧地域で2016年に閉鎖した屠畜場がやっと釧路町にできることになり、エスフーズ関連会社が正式に発表しました。商社を嫌がる人もいますが、根釧地区に屠殺場がない方がおかしいので、建設が決まりひと安心です。しかし、今の酪農情勢が好転する気配はまだ見られません。ここへきてホル雌牛の価格が以前より少し良くなっているようですが、来年、再来年を見据えての買い注文のような気がします。F1や和牛は頭数が増える傾向にあり、価格は下がる可能性が高いと思われます。個体価格より影響が大きいのが配合飼料価格です。4月以降は安定基金があまり発動されない懸念があります。安定基金制度も補給金制度も急激な変化には対応できず早急に見直しの検討が必要ですが、時間も必要であり政府の緊急的な対応を要求しなければなりません。4月から加工原料乳価は上がりますがまだ足りないと思います。自分を守るための我慢と、より一層のロス削減に努めましょう。

2023 ふぁん3月号

2023.3.1

 新年度に入り2ヶ月が経ちましたが、相変わらず個体価格は上がる兆しは見えてきません。生市場価格はひと頃のように百円や千円という価格はあまり見なくなりましたが、種牛や体重によって集荷してもらえない初生が、まだ散見されます。酪農家個々の考え方や飼養管理次第で状況はガラッと変わります。大した金額ではないと考えていると1年間で大きな金額の差になってしまいます。

 また、乳質についても乳房炎で廃棄している量は1年間でどのくらいになるか、今一度考えて頂きたいと思います。系統出荷している方々の中に生菌数・体細胞数が規定よりも悪くペナルティーを取られている方はいないでしょうか。これらは気づかないうちに大きなロスとなります。営農計画の時にコストを見直してくださいと言われたと思いますが、必要のない買い物だけでなく、買ったけれど使っていないものも含めロスにも目を向けて頂きたいと思います。ぜひ雪が解ける前にお願いします。

2023 ふぁん2月号

2023.2.2

 ほどほどの雪が畑に積もり凍結も浅いため、牧草にとっては非常に良い状態です。良質粗飼料の確保が必要な状況の中で、少し安堵するところです。

 補給金・集送乳調整金併せて49銭、加工原料乳価10円が4月より上がることとなり、思っていた金額には少し足りない感はありますが「よしあともう少し頑張るぞ」と思えるくらいの金額にはなったかなと思います。

 制度としては飼料の安定基金制度、国による乳製品在庫の買い上げ制度、CA数量の問題など解決しなければならないことはありますが、これらについては中長期的な課題として今後も議論を重ね、なるべく早く打開策を見出さなければなりません。さしあたっては配合飼料が高値安定した際の対応を国に求めていく必要があるでしょう。

 我々ができること、やるべきことはしっかりと精査して実行する。その上でできないことは国に助けてもらうことが大切であり、乳価上昇分で足りない面は自分たちで努力しながらコスト削減に努めなければなりません。明るい未来を目指して・・・。

2023 ふぁん1月号

2023.1.1

 新年あけましておめでとうございます。

 組合員の皆様並びにご家族の皆様がご健勝で新年を迎えられましたことをお慶び申し上げますとともに皆さま方の努力が報われる一年でありますようご祈念申し上げます。また、日頃より農協運営に対しましてご理解とご協力をいただき心より感謝申し上げます。

 さて、昨年もコロナ禍のなか一年が始まり、北京オリンピックの感動が冷めやらぬ前にロシア軍によるウクライナ侵攻という今の時代とは思われない侵略戦争が起き、世界の穀物・肥料・原油の流れが止まり価格は暴騰してしまいました。日本が直接ロシアやウクライナと取引をしていなくても、これらの国の世界への影響力を思い知らされたところです。

 長期化する戦争のなか、円安も相まって配合飼料・肥料などの生産資材の高止まりは酪農・畜産の当地域を直撃し、そのうえコロナ禍と物価上昇による牛乳乳製品消費の落ち込みにより、脱脂粉乳などの在庫積み増しが酪農経営を一層厳しいものにしました。配合飼料高騰の中良質な粗飼料の確保が大切なところでしたが、一番草の収穫は天候不順で刈り遅れとなり、栄養価も低いものとなりました。2番草はまずまずのものが収穫できましたが、1番草が悪いことは如何ともしがたく、配合飼料を増やすこともできずに、乳量は減り益々厳しい経済状況になってしまいました。

 しかし、悔やんでばかりはいられません。反省するところは反省をし、人の話を聞き入れなければならないことは聞き入れ、改善するところは改善をして、人と牛の健康を維持しながら前を向いて酪農経営を継続していかなければなりません。乳価・補給金・集送乳調整金が上がり、希望の光が見えてくることを期待して我慢して耐えていくしかありません。今が底です。これ以上、下がることはありません。前を向いて大きく手を振ってみんなで歩みましょう。早い人、遅い人、色々な人がいますが、一歩ずつ足を前に出せば必ずポジティブな世界にたどり着くと思います。

 最後になりましたが、本年が組合員皆様はじめ地域にとって良い年でありますようご多幸とご健勝をご祈念申し上げまして新年のご挨拶といたします。

2022 ふぁん12月号

2022.12.1

 早いものでもう師走となりました。11月に入りコロナの再拡大で鈴木知事が第8波の宣言をしましたが、皆さんの生活は今年一年どうだったでしょうか。今年もコロナに翻弄された一年でしたが、そこにロシアのウクライナ侵攻をはじめとする世界情勢の変化、輸入生産資材の高騰、さらに円安が加わり生産資材の高騰による物価高騰が起きてしまいました。

 酪農・畜産業界も例外ではなく飼料・肥料・石油製品などあらゆるものが値上がりし、牛の販売価格が一気に暴落、二重苦・三重苦の状態へと追い込まれてしまいました。この様な急激な情勢変化に対応する制度は整備されておらずこれからの課題ではありますが、それよりも今年から来年にかけて生活をどのように守っていくかが最も大切です。そのためには加工原料乳価値上げは絶対であり最低でも10円は必要です。今年度と来年っ度の生産調整は乳製品在庫を削減して乳価をあげるためのものであり、乳価交渉に当たっているホクレンは腹をくくってやってもらいたいと思います。

2022 ふぁん11月号

2022.11.1

8月後半以降下落したホル雄初生をはじめ個体価格が戻らず厳しい状況が続く中、制度資金の返済や年末が近づいています。資金調達や来年度の営農計画のための準備はできたでしょうか。資金調達はなるべく早く行ってきてください。日本経済の冷え込みに加え11月の乳価値上げによる影響も大きく、年末・年度末の処理不可能乳の発生も昨年の3倍から4倍になる可能性が見込まれています。まずはこの年末をどのようにして乗り切るかが大切です。昨年も同じようなことを言いましたが、今年は昨年よりも深刻です。今は北海道の生乳生産量は減産していますが、それ以上に消費が減っています。インバウンド需要に期待するところですが、それもあくまでも希望であって確定ではありません。まずは北海道の酪農民が同じ方向を向いて自分たちのできる事をやり、それで足りないところは国にお願いし、国もやるべきことはやる。酪農民・連合会・国が同じ方向を向いて行動することが重要だと考えます。この難局をみんなで乗り越えましょう。

2022 ふぁん10月号

2022.10.1

 9月に入りようやく晴れの日が続き、2番草の収穫作業も順調に進んだと思われます。今年は6月から8月まで晴れの日が続かず収穫作業にてこずった方が多かったと思いますが、今手元にある粗飼料でどのように乳を搾るか、牛を飼うかをじっくりと考えて頂きたいと思います。

 円安による濃厚飼料の高騰を受け、肉用牛素牛の買い控えによるホル雄やF1価格の下落は、酪農経営に大きなダメージを与えています。なるべく売れる牛を作り、自分たちでできる方法で最大限ロスを減らしてください。やり方はそれぞれ違いますので家族でよく話し合ってください。

 飲用乳価は上がることが決まりましたが、加工原料乳価や補給金の年度途中での価格改定は交渉中のためなかなか先が見えてきません。酪農バブル余韻がまだ残る中、円安・原油高の影響下での急激な生産資材の高騰に対して対策をしてもらわなくては、酪農、畜産が崩壊してしまします。なるべく早い円安の打開と、新明畜産の一日も早い再興を願うところです。

2022 ふぁん9月号

2022.9.1

 8月になっても天候が好転せず、雨の日と曇天が交互に来て、2番草の収穫作業が進んでいません。「1番草に続いて2番草もか…」と思っている方も多いかと思いますが、天候は人の力では何ともなりません。焦らずじっくり行きましょう。

 肥料や配合飼料が高騰する中、肥料に関してはいち早く政府が対応し農水省からの方針も打ち出されたことで、ある程度負担が軽減されることとなりました。しかし、我々酪農家にとっては資料の高騰の方が大きな痛手です。安定基金制度はあるものの、今の制度のままでは、高止まりしてしまえば基金が発動しない場合もあり得ます。制度自体の問題点は中長期的な視点で改善を求めていかなければいけませんが、それ以上に今年をどのように乗り切り来年をどう迎えるかが問題です。飼料高騰に対して今に即した有効な対策が必要です。政府与党や農水省に対し、今まさに取り組んでもらわなければならないことをしっかりと伝え、実行に移してもらうことが大切だと思います。