JA浜中町について

組合長のちょっと言わせて!!

2023 ふぁん9月号

2023.8.30

 1番草の収穫は早かったものの2番草は作業が遅れ、品質は良くないものとなりました。1年を通して良い粗飼料を収穫するのはなかなか難しいものです。しかし1番草は良いものが収穫できたので期待しています。

 4月からの加工原料乳価は10円、8月からの飲用乳価は10円から各々上がりましたが、乳量が落ち込んでいる現状で組勘に反映されていないことは少し気がかりです。7月ぐらいから生乳の道外移出が前年対比で少し増えているようですが、消費が伸びているというより酷暑による乳量の減少によるもので、9月以降の燃料代や電気代などの物価上昇を考えると消費の伸びを期待することは難しい状況です。もう少し乳価が上がらないと酪農家の経営は苦しいままです。食料安全保障の観点からも生乳として長期保存が出来ないことなど、消費者の理解と子供たちへの食育活動をしっかり取り組んでいく必要があります。そのためにも、乳質を含めて消費者に安心・安全を届けられるように我々も努力しなければなりません。頑張るぞ!

2023 ふぁん8月号

2023.8.9

 今年は6月中旬頃より晴れの日が続いて一番草の収穫作業も順調に進み、質・量ともに昨年より良いものが収穫されたと思います。購入飼料が高騰しているなか、少しほっとしているところです。

 8月より飲用乳価が10円上がりますが、北海道でのプール乳価にすると概ね2円程度の値上げになります。全道の手取り乳価では110円程度になると見込まれます。いまだかつてない乳価でありますが、原料価格の高騰や円安進行により、飼料・肥料だけでなく社会全般的な物価上昇の中で生産資材高騰に乳価が追い付いていない状況です。牛乳・乳製品の消費が伸びない中なかで加工乳価値上げ交渉はかなり厳しいものになりますが、ホクレンには頑張ってもらいたいと思います。

 前回の北海道酪畜対では、北農中央会やホクレンの役員から「今年でこの酪農情勢から脱却したいので私たちに協力してもらいたい」と力強い言葉を聞くことが出来ました。この言葉を実現するためには、酪農家個々の我慢と努力、そして「共に頑張ろう」の精神が必要だと思います。

2023 ふぁん7月号

2023.7.1

第76回通常総会に当たりご挨拶申し上げます。昨年は人数制限をした中での開催でしたが、今年は来賓の皆様をお招きして4年ぶりに制限なしでの実開催となり、誠に喜ばしく思います。お忙しい中ご出席賜りましたご来賓の皆様に感謝申し上げます。

 昨年は北京オリンピックが閉幕して4日後の2月24日にロシア軍によるウクライナ侵攻が始まり、泥沼化の様相を呈していますがプーチン大統領に侵攻をやめる気配はありません。知床観光船沈没事故による北海道観光への悪影響や、安倍元首相銃撃事件を発端にした旧統一教会の問題が政治的・社会的に表面化し大問題となるなど、暗いニュースの多い1年だったと思います。

 また、年明け1ドル115円台で始まった為替相場も10月には一時的に150円を超え、その後も円安は収まらず130円台で推移しています。ウクライナ侵攻と相まって原油価格、配合飼料価格、肥料価格をはじめ生産資材高騰が続いており、価格が下がる見通しが立たないまま酪農経営を圧迫し続けています。

 日本社会全般でも物価高騰で消費マインドが下がって牛乳・乳製品の消費が落ち込み、脱脂粉乳の在庫は積み増しが進み一時10万トンを超える事態となりました。その後は国や乳業メーカー、酪農家の拠出金により徐々に在庫量はバター・脱脂粉乳ともに減っている状況で、現在バターの在庫は適正量に近い水準まできているのではないかと思います。しかし、4月からの加工原料乳価10円引き上げ前の駆け込み需要とも考えられ、また乳価引き上げによる消費低迷も予想され予断を許しません。

 昨年は乳価据え置きで始まり、11月に飲用乳価が10円上がっただけで酪農家の経営が非常に厳しい状況の中ではありましたが、当農協の財務状況においては、皆様からの出資金は14億円を超えることができ、資本金は昨年と同様に34億円を維持することができました。貯金残高は162億円を超えるところまで来ております。

 生乳取扱量は前年度2.3%減の94,474トンとなり、総乳代は100億円を割り込むこととなりました。家畜販売などを含む総売上高でも120億円を割り込むこととなりましたが、税引前当期利益を93,994千円上げることができ、出資配当金として11,774,730円、事業分量配当として45,381,307円を計上して本総会にご提案することができました。これもひとえに組合員皆様のご理解とご協力の賜物と感謝申し上げます。

 子会社・関連会社の状況でありますが、コープ浜中はコロナ禍の中、また1か月以上の内装工事の中でも売上高を確保して経常利益を出すことができました。酪農王国、若牛の里は生産資材高騰の中、何とか黒字決算とすることができました。研修牧場は赤字となりましたが、一時的なものと考えており一層の努力をしてまいりたいと考えております。

 本年度事業としては、良質乳生産と経営安定の取り組みとして現地指導を強化し、自給飼料や堆肥・スラリーを最大限に活用できるよう酪農技術センター機能の充実を図り、生産コストの見直しや経営ロスの改善を提案します。担い手対策は浜中町や農業委員会と連携して本年度中に一組の新規就農を行い、就農希望者の確保に取り組んでまいります。コロナ禍で置き去りにされていた健康診断などの定期検診を強力に推進します。持続可能な社会に向けて理解向上を図ります。コロナ禍で計画から4年間を経過したバイオマス事業を年度内に稼働します。持続可能な酪農を実現するためには、再生産可能な所得の確保と自然環境を意識しながらカーボンニュートラルを理想に近づけていかなければなりません。

 非常に厳しい酪農情勢ではありますが、韓国で発生した口蹄疫などの伝染病への防疫やいつ起こるか分からない災害対策など、経営状態に関係なくやらなければならないこともまだ残っており、しっかりと準備しなければなりません。今年の牛乳・乳製品の需給は、インバウンドの回復と乳価引き上げによる消費の減退とが相まって先が非常に見通しにくい状況ですが、組合員の経営と地域社会を守るために今何をするかを考え行動できる農協であるために役職員一丸となって努力してまいります。

 最後になりましたが、浜中町長を始めご来賓の皆様のご理解とご協力をいただき感謝するとともに、これからも一層のご協力を賜りますことをお願い申し上げまして私の挨拶といたします。

2023 ふぁん6月号

2023.6.29

 今年は5月に入り早々に桜の花が開花しました。温暖化の影響なのか年々開花が早まっているように思えます。桜の開花後に何日か寒い日が続き牧草の伸びを心配していましたが、それほど影響がないようでホッとしているところです。

 新年度になってからも道内全体での乳量は昨年度比で4%以上の減産となっています。昨年の粗飼料の栄養価の低さを証明する形となりましたが、飼料価格が高騰しているなか配合飼料を増やして沢山牛乳を搾るようなことにはならず、今年収穫する粗飼料に期待するしかありません。

 しかし、4月からの加工原料乳価10円引き上げにより、共販経費を差し引いても110円に迫る乳価となり、乳成分の高い人は110円を超える乳価になっているかと思います。かなりありがたい乳価となりましたが、6月からの電気料金の値上げを始め各種生産資材の高騰は収まりそうにありません。今後はこれまで以上にロスを減らす必要があります。ロスは必ずどこかに潜んでいます。家族でよく話し合い、あぶり出してください。

2023 ふぁん5月号

2023.4.28

 今年は春の訪れが早く、もう肥料散布が終わっている人も多いかと思います。昨年の4月は暖かったものの5月から6月にかけて気温が上がらず、牧草が伸びずに苦労しました。今年は1番草の収穫まで順調に進んでほしいと思います。

 4月から加工原料乳価が10円上がりましたが、消費動向はどうでしょうか。今、脱脂粉乳の在庫解消のために拠出金を負担していただいていますが、今までは海外の乳価も高く国内価格との差は小さかったのですが、ここにきて海外乳価が下がり価格差は大きくなってしまいました。拠出金での処理量が思っていたよりも少なくなってしまう可能性も出てきました。今まで順調に進んできた脱粉の在庫を調整していくのか、なかなか見通せない状態になってきました。これからどのようにして脱粉の在庫を調整していくのか、現在のような不公平感がなく調整機能を維持していくための議論を、国も含めて我々がしていかなければなりません。春作業で忙しい時期ですが、事故や怪我に気を付けて行ってください。

2023 ふぁん4月号

2023.3.30

 3月は暖かい日が続き雪もすっかり消えて春の訪れを感じさせる陽気となりました。根釧地域で2016年に閉鎖した屠畜場がやっと釧路町にできることになり、エスフーズ関連会社が正式に発表しました。商社を嫌がる人もいますが、根釧地区に屠殺場がない方がおかしいので、建設が決まりひと安心です。しかし、今の酪農情勢が好転する気配はまだ見られません。ここへきてホル雌牛の価格が以前より少し良くなっているようですが、来年、再来年を見据えての買い注文のような気がします。F1や和牛は頭数が増える傾向にあり、価格は下がる可能性が高いと思われます。個体価格より影響が大きいのが配合飼料価格です。4月以降は安定基金があまり発動されない懸念があります。安定基金制度も補給金制度も急激な変化には対応できず早急に見直しの検討が必要ですが、時間も必要であり政府の緊急的な対応を要求しなければなりません。4月から加工原料乳価は上がりますがまだ足りないと思います。自分を守るための我慢と、より一層のロス削減に努めましょう。

2023 ふぁん3月号

2023.3.1

 新年度に入り2ヶ月が経ちましたが、相変わらず個体価格は上がる兆しは見えてきません。生市場価格はひと頃のように百円や千円という価格はあまり見なくなりましたが、種牛や体重によって集荷してもらえない初生が、まだ散見されます。酪農家個々の考え方や飼養管理次第で状況はガラッと変わります。大した金額ではないと考えていると1年間で大きな金額の差になってしまいます。

 また、乳質についても乳房炎で廃棄している量は1年間でどのくらいになるか、今一度考えて頂きたいと思います。系統出荷している方々の中に生菌数・体細胞数が規定よりも悪くペナルティーを取られている方はいないでしょうか。これらは気づかないうちに大きなロスとなります。営農計画の時にコストを見直してくださいと言われたと思いますが、必要のない買い物だけでなく、買ったけれど使っていないものも含めロスにも目を向けて頂きたいと思います。ぜひ雪が解ける前にお願いします。

2023 ふぁん2月号

2023.2.2

 ほどほどの雪が畑に積もり凍結も浅いため、牧草にとっては非常に良い状態です。良質粗飼料の確保が必要な状況の中で、少し安堵するところです。

 補給金・集送乳調整金併せて49銭、加工原料乳価10円が4月より上がることとなり、思っていた金額には少し足りない感はありますが「よしあともう少し頑張るぞ」と思えるくらいの金額にはなったかなと思います。

 制度としては飼料の安定基金制度、国による乳製品在庫の買い上げ制度、CA数量の問題など解決しなければならないことはありますが、これらについては中長期的な課題として今後も議論を重ね、なるべく早く打開策を見出さなければなりません。さしあたっては配合飼料が高値安定した際の対応を国に求めていく必要があるでしょう。

 我々ができること、やるべきことはしっかりと精査して実行する。その上でできないことは国に助けてもらうことが大切であり、乳価上昇分で足りない面は自分たちで努力しながらコスト削減に努めなければなりません。明るい未来を目指して・・・。

2023 ふぁん1月号

2023.1.1

 新年あけましておめでとうございます。

 組合員の皆様並びにご家族の皆様がご健勝で新年を迎えられましたことをお慶び申し上げますとともに皆さま方の努力が報われる一年でありますようご祈念申し上げます。また、日頃より農協運営に対しましてご理解とご協力をいただき心より感謝申し上げます。

 さて、昨年もコロナ禍のなか一年が始まり、北京オリンピックの感動が冷めやらぬ前にロシア軍によるウクライナ侵攻という今の時代とは思われない侵略戦争が起き、世界の穀物・肥料・原油の流れが止まり価格は暴騰してしまいました。日本が直接ロシアやウクライナと取引をしていなくても、これらの国の世界への影響力を思い知らされたところです。

 長期化する戦争のなか、円安も相まって配合飼料・肥料などの生産資材の高止まりは酪農・畜産の当地域を直撃し、そのうえコロナ禍と物価上昇による牛乳乳製品消費の落ち込みにより、脱脂粉乳などの在庫積み増しが酪農経営を一層厳しいものにしました。配合飼料高騰の中良質な粗飼料の確保が大切なところでしたが、一番草の収穫は天候不順で刈り遅れとなり、栄養価も低いものとなりました。2番草はまずまずのものが収穫できましたが、1番草が悪いことは如何ともしがたく、配合飼料を増やすこともできずに、乳量は減り益々厳しい経済状況になってしまいました。

 しかし、悔やんでばかりはいられません。反省するところは反省をし、人の話を聞き入れなければならないことは聞き入れ、改善するところは改善をして、人と牛の健康を維持しながら前を向いて酪農経営を継続していかなければなりません。乳価・補給金・集送乳調整金が上がり、希望の光が見えてくることを期待して我慢して耐えていくしかありません。今が底です。これ以上、下がることはありません。前を向いて大きく手を振ってみんなで歩みましょう。早い人、遅い人、色々な人がいますが、一歩ずつ足を前に出せば必ずポジティブな世界にたどり着くと思います。

 最後になりましたが、本年が組合員皆様はじめ地域にとって良い年でありますようご多幸とご健勝をご祈念申し上げまして新年のご挨拶といたします。

2022 ふぁん12月号

2022.12.1

 早いものでもう師走となりました。11月に入りコロナの再拡大で鈴木知事が第8波の宣言をしましたが、皆さんの生活は今年一年どうだったでしょうか。今年もコロナに翻弄された一年でしたが、そこにロシアのウクライナ侵攻をはじめとする世界情勢の変化、輸入生産資材の高騰、さらに円安が加わり生産資材の高騰による物価高騰が起きてしまいました。

 酪農・畜産業界も例外ではなく飼料・肥料・石油製品などあらゆるものが値上がりし、牛の販売価格が一気に暴落、二重苦・三重苦の状態へと追い込まれてしまいました。この様な急激な情勢変化に対応する制度は整備されておらずこれからの課題ではありますが、それよりも今年から来年にかけて生活をどのように守っていくかが最も大切です。そのためには加工原料乳価値上げは絶対であり最低でも10円は必要です。今年度と来年っ度の生産調整は乳製品在庫を削減して乳価をあげるためのものであり、乳価交渉に当たっているホクレンは腹をくくってやってもらいたいと思います。